旧水口図書館

ヴォーリズ建築らしさにあふれた
「珠玉の小品」

 滋賀県ゆかりの人物として知られ、宗教家・社会事業者としても大きな足跡を残した建築家W.Mヴォーリズ(1880〜1964) は、教会や学校、住宅や店舗など幅広い分野に数多くの作品を残していますが、旧水口図書館もその一つで、昭和3年(1928)に完成したもの、戦前期ヴォーリズ建築事務所の優れた作品として知られています。
 彼の作品は特定の様式にこだわらず、使い手の立場を大切にするところに力が注がれています。簡素でありながら、清潔感にあふれ、しかも高い実用性を備えていることに特徴があります。
 旧水口図書館は住宅のような小規模な建物ですが、シンプルな中にも玄関やバルコニー、塔屋上のランタンなどに「知の館」にふさわしいデザインが見られます。保存改修により往時の姿がよみがえりました。

旧水口図書館全景
 
大池寺
 
玄関ドア


【建物概要】
鉄筋コンクリート2階建(一部レンガ造)
塔屋付・陸屋根
建築面積 52平方メートル
昭和3年10月25日竣工
・昭和45年まで町立水口図書館として利用される
・平成13年10月 国の登録有形文化財となる
・平成15年まで 教科書センターとして利用される
・平成15年7月 保存改修工事はじまる(8ヶ月間)
・平成16年4月 再び活用がはじまる   



2階旧閲覧室(改修前)
▲2階旧閲覧室(改修前) 
2階旧閲覧室(改修後)
▲2階旧閲覧室(改修後)
玄関・1階ホール 階段
▲玄関・1階ホール   ▲階段   
1階事務室
▲1階事務室
故郷への熱い思い〜井上好三郎(1881〜1943)
井上好三郎氏
 旧水口図書館は、水口出身の実業家井上好三郎さんの寄付により建てられました。明治14年、まだ宿場町の面影を色濃く残す市街中島町に生まれた井上(旧姓守田)さんは、15歳のとき大阪に出て金物商に勤めます。
 人一倍努力し、常に周囲の模範となる働きをし、やがてねじ釘やボルトなど建築用金物を扱って業界屈指の商店へと発展させ、大きな成功をおさめました(現井上鋲螺工業株式会社)。
 当時の経済人には、利益を求めるだけでなく、社会に貢献する人が少なくありませんでした。井上さんもその一人で、故郷である水口に公共図書館の新築・寄付を思い立ち、ヴォーリズ建築事務所に設計を依頼したのがこの建物です。
  以後昭和45年 (1970)まで「水口町立水口図書館」として使用され、多くの人に本と出会う楽しさを提供しました。私たちは井上さんの故郷に対する思いを、これからも大切にし、活かしていきたいものです。



活用しながら守ります 登録文化財  


 旧水口図書館は国の登録文化財です。
 登録文化財は建築後50年を経過し、国土の歴史的景観に寄与しているもの、造形の規範ととなっているもの、再現することが容易でないもの、のどれかに該当すれば登録の資格があり、また外観を大きく変えなければ内部を改装し自由に活用できるなど、文化財の自由な活用を前提としたゆるやかな保護の考え方に基づく文化財です。
 旧水口図書館は優れた建築であるとともに、地域の近代化のシンボルとして親しまれてきたことから、将来にわたって伝えようと、平成13年(2001)に登録されたものです。

 参考ホームページ:稚木の会(わかぎのかい)
     …「旧水口図書館」の保存と活用に携わる会のサイトです。
 



●内部公開
◎日 時/

毎月第2、第4日曜のみ
10時から16時まで

◎料 金/ 無料
◎交 通/ JR草津線「貴生川」より近江鉄道乗り換え「水口石橋」下車。旧東海道を東へ徒歩6分。水口小学校正門脇。
◎所在地/ 甲賀市水口町本町1-2-1
◎連絡先/ 甲賀市教育委員会歴史文化財課
TEL 0748-86-8026
   

●付近地図
旧水口図書館地図
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※ご来館は開館情報を確認のうえ、できるだけ公共交通機関をご利用ください。

 

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